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アンタレス船長、そしてクルーの皆さん、いよいよシーズン到来で、楽しんでいらっしゃる様子が手に取るように分かります。一度だけアンタレスにお邪魔したカナダのヨット乗りのマークといいます。もっぱらロムセンですが、このコーナーはよく見ています。
さて下戸、上戸ですが、この言葉の由来は中国4千年、秦の始皇帝に遡ります。始皇帝は、それまでばらばらだった文字の統一、あるいは車軸の幅の統一などを行っています。今風に言えばインフラ整備ですね。
始皇帝のもう一つの大事業が万里の長城です。大変な作業で何百万もの労働者が投入されましたが、この時、厳しい労働に耐える者たちに褒美を与えました。
満州の荒野を吹き抜ける風は冷たいですから、長城の上で日干し煉瓦を積み上げる労働者には、体を温めるために酒を与えました。上戸とは長城の上のことで、ここから転じて上戸は酒飲みの意味となりました。
下戸は長城の下のことです。煉瓦運びをする労働者は長城に烈風を遮られて寒さは防げるものの、重い煉瓦運びで体力を消耗します。このため始皇帝は酒の代わりにエネルギー源となる饅頭(まんとう)を与えるよう命じたののです。
この時代のまんとうは甘くはありませんでしたが、後年下戸は酒の代わりに饅頭を与えられた者をさし、そこから転じて酒の飲めぬ甘党の人の意味になったんですね。中国4千年の歴史、恐るべし!
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